電気通信工事の資格|未経験から取る順番を解説
電気通信工事に興味はあるけれど、資格が何もないから無理ではないか——そう思っていませんか。実際は逆です。厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)によれば、電気通信技術者の有効求人倍率は令和7年度で3.88倍。求職者一人に四件近い求人がある計算で、資格保有者だけを待っている業界ではありません。資格がないことは、入口を閉ざす理由になりません。そもそも現場に立つために先に必要なのは、施工管理技士ではありません。安全講習、工事担任者、電気工事士、そして施工管理技士——どの資格を、どの順番で取るのか。現場で本当に使う資格の地図を、正直にお伝えします。
最初の資格は、試験ではなく講習から始まる
未経験で入社して最初に手にするのは、筆記試験の資格ではなく、安全講習の修了証です。労働安全衛生規則にもとづき、電気を扱う作業の前には低圧電気取扱業務特別教育が、マンホールやピットの中なら酸素欠乏・硫化水素危険作業特別教育が要ります。作業床の高さ10メートル以上の高所作業車は技能講習、未満なら特別教育。つり上げ荷重1トン以上のクレーン等の玉掛けも技能講習で、免除がなければ学科と実技で最大19時間です。いずれも学歴や実務経験は問われず、入社してすぐ受けられます。危険を減らすのは注意力ではなく、手順だからです。
工事担任者は、学歴も実務経験も問わない国家資格
通信の技術者として最初に目指す国家資格が、工事担任者です。電気通信回線に電話機やルーターなどの端末設備をつなぐ工事を行い、監督する資格で、第二級デジタル通信から総合通信まで種別が分かれています。入口の第二級デジタル通信は、毎秒1ギガビット以下のインターネット回線の工事を扱います。受験に年齢・学歴・実務経験の制限はありません。第二級はCBT(パソコンで受験する方式)に移行し、年末年始を除き通年で実施。神戸も試験地です。手数料は1種別9,800円。合格科目を持ち越せる免除もあり、働きながら最初の一歩を踏み出しやすい資格です。
電気工事士は、第二種から第一種へ段階を踏む
通信線だけでは工事は完結しません。機器に電源を届ける配線には電気工事士が要ります。第二種電気工事士は受験資格の制限がなく、上期・下期の年2回、学科試験と技能試験を経て取得できます。学科はCBT方式と筆記方式から選べ、工具で配線を組む技能試験があるため、現場の作業がそのまま勉強になります。第二種を取れば、通信と電源の両方に手が届きます。第一種電気工事士は、合格しただけでは免状が交付されません。3年以上の実務経験が必要で、この年数は2021年の規則改正で学歴による区分がなくなり一律3年になりました。
施工管理技士は「第一次検定」から先に取れる
電気通信工事施工管理技士は、かつて実務経験がなければ受験できない資格でした。しかし2024年度の制度改正で、第一次検定は2級が受検年度中に17歳以上、1級が19歳以上なら、実務経験なしで受けられます。合格すれば「技士補」を名乗れます。入社してすぐ第一次検定を目標にできるということです。実務経験が問われるのは第二次検定からで、「経験を積んでから資格」ではなく、「先に第一次を取り、経験で第二次に追いつく」形に変わりました。第二次検定の受検資格や取得後の年収は、施工管理技士だけを扱った別のコラムでくわしくお伝えしています。
受験料も講習費も、会社が負担する
受験料も講習費も、会社が負担します。講習や試験の日は勤務扱いで、有給を削ったり欠勤にしたりする必要はありません。合格すれば報奨金が出て、手当もつきます。資格取得を個人の気合いや自己負担に任せず、仕組みで支えるのが会社の役割だと考えています。順番どおりに積み上げた資格は、あなたから誰も奪えない財産になります。
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